• 長谷川万大

「若者になれた(かもしれない)日」

一曲目から総立ちのライブなんて、おじさん初めてだよ。

昨日、マリンメッセ福岡で開催された星野源さんのライブに行ってきた。意外に思われるかもしれないが、実は星野さんの大ファンである。

会場に着いた瞬間に帰ろうかと思った。人が多すぎる。入場待ちの列が途切れることなく、どこまでも続いている。すごい。

博多駅からマリンメッセまでは直通の臨時バスが出ていて、こちらもバス停には長蛇の列ができていた。次から次にバスがやってくるが、どれもギュウギュウに押し込められて缶詰め状態だ。

そういえば、今までよく見ていた光景だった。

谷村さんのコンサートに行く時に、三代目とかジャニーズ系の方々のライブが重なると、同じ格好してみんな同じ色のタオルを身に纏った人々がバスに詰め込まれて会場まで運ばれていくその異様な景色を横目で見ていた。まさか自分が当事者になるとは夢にも思っていなかった。

しかしながら、良い面もあった。

今回のライブは転売対策で電子チケットなるシステムが導入されていて、スマホだけで入場手続きができる。これがかなり速い。チケットを忘れる心配もない。

座席はスタンド席だったが、会場全体を引きで見ることができたから、そう悪くはなかった。

いよいよ開演時間。

既に初体験の連続だったが、ここからもその快進撃は続く。

観客が一万人を超えるライブに参加するのは初めてだし、何より観客の年齢層が若いのも初めてだ。どう振る舞っていいのか分からない。どういう気持ちでここにいたらいいのだろうか。どんな風にノればいいのか。頭を振り続けるのか、タオルを回し続けるのか、或いは目をハートにして胸の前で手を組んで放心しておけばいいのか。

客電が落ちると同時にみんな示し合わせたかのように立ち上がる。ちょっと待ってくれ。まだ本人出てきてないよ、、

それに二日前から寝違えていて首が曲げられなかったから、この調子でいくと終演後はどうなっているだろうと不安に苛まれていた。

ところが。

ああ、もうなんと言っていいのやら。

星野さんが出てきた瞬間の観客の黄色い、黄色すぎる、真っ黄っ黄かつ艶のある歓声と、やっと会えたぁぁぁぁ! という感情が交錯して鳥肌が立った。

あんな歓声を生で聞いたのは久しぶりだ。聞いた、というより、体全体に浴びたのは。

バンドの中心で輝く星野さんも素敵だが、アコースティックギター一本で魅せる弾き語りも圧倒的な存在感を放っていた。

最近ね、ほんとに涙腺がもろくって。コンサートに行くと必ず泣いてしまうのだ。

体ぜんぶで感動した。

けれど、ものすごく嫉妬もした。

ボクはやっぱり、その魂から震えるほどの歓声が向かう場所に、ステージに立つ側にいたいと思った。

やれるもんならこっちまで這い上がってこい、そう言われている気もした。

すっかり寝違えたことを忘れていたが、部屋に帰ってきてから一気に痛みが押し寄せた。ライブ中はマジックにかかっていたようだ。悪化した気がする。

全然若者になれていないな。

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