• 長谷川万大

「背筋の凍る話」

そういえばまだ書いていなかったことがある。

老け顔がもたらした恐怖体験の数々のこと。

恐怖体験だなんてそんなオーバーなぁ! と鼻で笑ったあなた。きっと読み終える頃にはガクガクと震えながらボクのことを心底心配する羽目になりますからね。笑っていられるのも今のうちですよ。

ライブでは必ず老け顔トークになるが、折角だからライブであまり話してこなかった出来事を中心にご紹介しましょうか。

まず言っておきたいのは、この顔で生まれたからこそ今の私が、老け顔界のアイドルとしての私が在る(笑)、ということ。これは揺るぎない事実であり、感謝感激、恵まれていることなのだ。たいへんな個性を授かったということ。忘れてはいけない。

さて、大前提の事実を改めて確認したところでここからが本題。

いつだったかネットニュースを見ていたら、クリックせずにはいられないタイトルの記事があった。

『外見が老けている人は、中身も老けやすくなる』

他人事とは思えずに即座にクリックするが詳しいことは何にも書かれておらず、ただダニエルという教授がこのような研究を発表してどうのこうの・・・それだけだった。

しかしこの記事を見てからというもの、自分の不可解な行動の数々にいよいよ内面の老いが始まったかと、まるで姿の見えないエイリアンと戦うかのような日々が始まったのである。

恐怖体験その1

お風呂の順序というのものは誰にでもあるだろう。まずは頭を洗って、顔洗って最後に体。毎日毎日同じ流れ。一度も変わったことはないのに、顔を洗っていると、

「あれ? さっき頭洗ったっけな? まったく記憶に無いんだけど。でも今顔洗ってるし、順番変えるはずないから洗ったんだと思うんだけど、身に覚えがない。」

これが過去に4、5回ほどあった。こないだ後輩にこの話をしたら絶句していた。それは冗談じゃ済まないかも知れませんねと言われてやっと状況を把握した。これってやばいやつなんだ・・・。

恐怖体験その2

最近部屋でテレビを見ていたりすると、ふわっと鼻先をかすめるほのかな香りを幾度も感じるようになった。決して良い匂いではない。

もしや、と恐る恐る服の襟や首の辺りを必死に嗅ぎまわるが、“ヤツ”はいない。気のせいか? いや、でも確かに今・・・。

私の体にもうヤツの魔の手が忍び寄っているのだろうか。

恐怖体験その3

立ち上がった途端に何をしようと思って立ち上がったんだっけ?

入門編の鉄板ネタだ。必ず一度は誰でも経験するだろう。と思う。そう思いたい。これには、もう一度座ってみるとか、立ち上がる前にしていた動作を再現する、といった対処法があるが、ボクはこうなったらとりあえずトイレに行くことにしている。大抵の場合、当たっている。

他にも、トイレに行こうと思って財布を持って部屋の外へ出る、買ってきた牛乳を冷蔵庫に入れようと思ってレジ袋のほうを冷蔵庫に入れる、といった症例もある。

書いていて手が震えてきた。一体どうしたらこんな日常を送ることになるんだ。少し肌寒いこの時期になると、必ず右ひざもキシキシと痛くなる。高3の頃からだ。

ほら、心配になってきたでしょ? そんなあなたにも当てはまる症状があるのでは・・・。

お互いに頑張りましょうね。

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