長谷川万大2018年2月11日「綺譚」3rdアルバム「綺譚」収録 綺譚(きたん)とは、美しい物語のこと。 ボクには二十二年分の人生の物語がある。もちろん、あなたにも、重ねてきた何年或いは何十年分の物語がある。 日々の営みの一つひとつは時間を重ねるごとに忘れて行ってしまうものだけれど、電車の車窓をぼんやり眺めてい...
長谷川万大2018年2月11日「つづく」3rdアルバム「綺譚」収録 二年前、ボクの通う大学のイメージソング「はるかなる旅」制作と同時に動いていた計画で、プロの映画監督とともにPR動画を撮影することになっていた。 残念ながらこの計画はオトナの事情でバラシとなってしまったのだが、この撮影の為にワンコーラスのみの挿入歌...
長谷川万大2018年2月11日「嗚呼惜春」3rdアルバム「綺譚」収録 こないだ地元に帰った時、高校時代の友人たちと呑んだ。 卒業以来の再会となった人もいたが、不思議なもので、会った途端にあの頃の続きになる。 会うまでは色々と考えるものだ。高校の頃どんな風に接していたっけ、数年ぶりに会ってどういう感じで話せばいいんだ...
長谷川万大2018年2月11日「夜間飛行」3rdアルバム「綺譚」収録 この歌にはモデルがいる。 スウェーデン出身の女優グレタ・ガルボだ。 彼女は晩年、口紅を差すのもままならず、自分の老いた姿を見たくないという思いから鏡を身近に置かない生活をしていたらしい。 三十五歳ですっぱり女優を辞め、人嫌いでメディアやインタビュ...
長谷川万大2018年2月11日「夙夜」3rdアルバム「綺譚」収録 「夙夜(しゅくや)」とは、一晩中のこと。 これに「夢寐(むび)」という言葉がくっつくと、朝から晩まで一日中想い続けています、という意味になる。 『夜間飛行』の対になる曲として書いた。 おさえきれない恋心が夜空を旅して愛慕の人のもとへ飛んで行く女性...
長谷川万大2018年2月11日「ひとり芝居」3rdアルバム「綺譚」収録 スマートフォン。 レストランでお互いにそればかりを見つめて、会話している気配のない二人組に遭遇することがある。 何が楽しいのだろうか。もはやそこに二人でいる意味などあるのだろうか。 街中でも電車でも誰かと一緒にいる時でも、誰もがずっと手のひらを見...
長谷川万大2018年2月11日「桜を待たずに」3rdアルバム「綺譚」収録 フィクションにこだわって曲を作ってきたが、稀に実体験を基に詞を書くことがある。 その代表的な作品が『桜を待たずに』である。 昨日まで普通に暮らしていた人が、今日はもうこの世にいない。 身近な人の死には何度か関わったが、こんなにも唐突な別れは初めて...
長谷川万大2018年2月11日「やさしい明日」3rdアルバム「綺譚」収録 祖母が亡くなったのは二年前。祖母がひとり暮らした家には今、ボクの家族が住んでいる。 祖母は筆まめな人で、習字の先生でもあった。 亡くなった後、遺品を整理していると、数十年も前から欠かさずつけていた家計簿、ラジオで聴いた歌の歌詞を書き写したメモ紙な...
長谷川万大2016年12月11日「時の流れよ、ゆるやかであれ」2ndアルバム「ポートレイト」収録 実はこの歌、長谷川作品の中では二番目にはやい、一分半で出来た歌なのだ。 大学二年の夏休み。八月に入って間もなく二十歳を迎え、その節目のライブで発表する新曲を考えていた。長期の休みになると、イベント出演の関係で宮崎と福岡を往復しながら過ごす...
長谷川万大2016年12月11日「はるかなる旅」2ndアルバム「ポートレイト」収録 この曲がなければ、もしかしたらアルバム制作までたどり着けなかったかもしれない。 2015年6月のこと。その日はゆっくりの朝で、10時ごろに目覚めて携帯を見ると、一通のメールが入っていた。...
長谷川万大2016年12月11日「泣いて笑って」2ndアルバム「ポートレイト」収録 2015年も終わる頃。街がクリスマスムード一色に染まる中、ボクは楽しみにしていた南こうせつさんの「年末スペシャルコンサート」に出掛けた。 コンサートに行った回数が谷村新司さんの次に多いのが、こうせつさん。実は谷村さん(アリス)よりもずっと...
長谷川万大2016年12月11日「最後の時間」2ndアルバム「ポートレイト」収録 大学一年生の夏、1973年に金井克子さんが歌ってヒットした『他人の関係』を一青窈さんがカバーし、ドラマの主題歌としてボクと同世代の人たちにも広く浸透した。 シンプルな言葉でディープ&ハードなことを言っている。今までに何度も聴いたことのある...
長谷川万大2016年12月11日「ちいさなラブソング」2ndアルバム「ポートレイト」収録 アルバムを作る時には必ず、かわいい歌、もどかしい恋の歌を一曲入れようと決めている。 前作「Vintage」では、『微笑みは罪』という歌を書いた。恋に奥手な男が秘かに感じる胸のときめき、、居ても立っても居られない気持ちとは裏腹に現実では何も...
長谷川万大2016年12月11日「Breath」2ndアルバム「ポートレイト」収録 高校3年生のゴールデンウィーク。まだテレビラッシュが始まる前で、CMに出ていたことも忘れられ始めた頃だろうか。 我が家はたまに泊りがけで霧島へ行く。たいていはボクが言い出しっぺで、旅行気分を近場で味わおうという魂胆だ。...
長谷川万大2016年12月11日「タイムラグ」2ndアルバム「ポートレイト」収録 もともとはこの曲、ボクが在籍していたシネマサークルが学園祭に出展する為に制作していた映画の主題歌として誕生した。 どうせなら主題歌作っていい? というボクの提案に、サークルのメンバーたちは二つ返事で賛同してくれた。「長谷川の作る歌なんて、...
長谷川万大2015年3月8日「すべては、あなたのために」1stアルバム「Vintage」収録 1曲完成させるまでに、長くて数ヶ月費やすこともありますが、これは約2分ほどで作りました。作った、というよりは、出来てしまった、という感覚でしょうか。 頭の中で流れているメロディーに乗せて歌詞を殴り書きしていきました。詞と曲が同時に浮かび...
長谷川万大2015年3月8日「佐保姫」1stアルバム「Vintage」収録 さおひめ、もしくは、さほひめと読みますが、僕は前者のほうで読んでいます。折角、3月に出すアルバムだから春の歌も書いてみよう、と。 3月と言えば人生の中でのビックイベント、卒業式がありますね。ちょうど1年前、高校を卒業しました。卒業式を迎...
長谷川万大2015年3月8日「微笑みは罪」1stアルバム「Vintage」収録 かわいらしい歌、と言えばやはり女性目線で描くのが主かも知れません。というよりその方が描きやすく、聞き手もすんなりと受け入れられるのではないでしょうか。しかしながら、近年はいわゆる草食系男子なる言葉が、恋に奥手で女々しい男性陣(わたくしを...
長谷川万大2015年3月8日「想いを力に」1stアルバム「Vintage」収録 アルバムの中では一番古く、歴史のある歌です。高校に入ったばかりの頃、部活動で頑張っている同世代のみんなを歌で応援できないか考えた末、どうせなら学校ぜんぶを盛り上げるような歌を書こうと、僕が通っていた高校のイメージソングとして制作しました...
長谷川万大2015年3月8日「ヴィンテージ」1stアルバム「Vintage」収録 今回のアルバムの表題曲にもなった“ヴィンテージ”。意味をよく訊かれるので、この場を借りて。 本来の意味は、ワインに使われるブドウの収穫から完成までの工程のこと。また、ジーンズやギターなどの年代物を指す言葉としても馴染んでいますが、ここで...